おむつを穿いて、酷暑の中を駅まで歩かされるかがみ。
風通しの悪いおむつの中は、漏らしてもいないのにむらむらとしてきて……。
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ただでさえ、歩いているだけで滝のように汗が出てくるような酷暑。
もこもこと膨らんでいるおむつの中は、駅前に着くころにはサウナのようになってしまっていた。
……暑い……いや、熱いのか……かがみはぐったりとした表情を浮かべながらも、照りつける太陽のなかを歩き続ける。
背中を汗が伝っていくのが分かる。
もちろん、風通しの悪いオムツの中はもっと凄いことになっているわけで……。
実は、さっきから無性に痒くてたまらない。そういえば、さっきおむつを付けられるとき、しっかりと拭いてなかったではないか。くじらみたいに潮がどうとか……。
ただでさえ敏感なところなのに、このままではかぶれてしまう。
そこにおむつの生地がこすれて汗に混じり、他の染みまでできてしまいそうだった。
むらむらとした感覚に、おもわず前かがみになってしまっていると、「お姉ちゃん……」なんともいいづらそうな、つかさに声をかけられた。「なに……」気だるそうな……実際にこれ以上無いくらいだるいのだけど……。
「おむつ……スカートから見えてるよ」
その時になってようやく気付く。
前かがみになっていたので、お尻のほうからちらちらとおむつが見えてしまっているではないか。
すぐに背筋を伸ばすけれど、ずっとこの状態をキープし続けるのはかなりの苦行だった。
「うう……気持ち悪い……」
「お姉ちゃん、顔色悪いけど少し休んでいこうか?」
顔に出てしまったのだろうか。
かがみは気を持ち直す。
今は一刻でもはやく家に帰って、おむつを外したい気分だった。かがみがそう言うと、つかさは「じゃあちょっと待ってて」と言い残して、とてとてと近くの自販機でペットボトル入りのドリンクを買ってきた。
午前の紅茶「レモンティー」だった。
はやくも結露している半透明のペットボトルに触れると、冷やりと心地よい感触が伝わってきた。
「熱中症で倒れたら危ないから、お姉ちゃんにあげる」
「ああ、ありがと」
有難く頂こうとしよう。
たしかに、熱が腰にこもっているせいか、全身に汗がまとわりついているかのようだ。こんなに汗をかいたことなんて生まれて初めてかもしれない。特に、今年は酷暑というし。
一口、レモンティーを口に含む。よほど身体が求めていたのか、黄色い液体はあっというまに身体に吸収されていく。気付いたらペットボトルは空になっていた。
やっとのことで駅に辿り着くころには、漏らしてもいないのにおむつの中が濡れているようだった。けどここまでくればもう少しだ。
改札を通り、ホームに急ぐ。
ちょうど電車が入ってくるところだった。こういう時って時間を有意義に使えたような気になれる。
座ることが出来れば、少しは落ち着ける……。
電車のドアが左右に開いて、乗客が降りてくる。さて、乗ろう……あ、椅子も空いてる……。そこでかがみの表情がピシリと凍りついた。
ひやっ……
車内に入った瞬間、エアコンの効き過ぎた空気が氷の塊となって、かがみのお腹を直撃したのだ。
「こ、これは………」
予感は、悪い方にばかり的中してしまう。
ぶるり……身体が震えると、全身の肌があぶくだって汗が引いていった。
かがみはおむつが見えないように脚をとじて座るけど……。
アルテマ☆デトックス10に続く
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