夏休み企画&1周年記念のアロエのおべんきょうシリーズ最終回。
オチにしては少し弱いかも。次回への伏線と言うことで。
これにて夏企画は終了です。
原稿用紙60枚&校正&うpの2週間。長かったようなあっという間だったような。
みなさん、よい夏を。
アロエのおべんきょう1はこちら
「あら、ジョセフィーヌ、どうしたの……」
大蛇に続いて茂みがカサカサと揺れると、首を出したのはマラリヤだった。紫色のしっとりとした髪の毛は闇夜に溶け込み、低くぼそぼそとした呟きは木々の囁きのようだ。
「何か美味しい御飯でも見つけたの?」
そこでマラリヤはジョセフィーヌと呼んだ大蛇が巻き付いているものに気付く。
「あ」
驚愕の表情を浮かべるマラリヤ。それでも瞳が0.1ミリくらい小さくなっただけだけど。
「だめよジョセフィーヌ。アロエちゃんは御飯じゃないわよ」
* * *
「さて、どうしようか……」
マラリヤはあごに手を当てて首を捻る。
このままアロエを放置しておいて、夢と勘違いしてくれることを期待するのは都合が良すぎるだろうか。
それに夜の湖畔に一晩中放置プレイはあまりにも可哀想だ。みると、恐怖のあまり脱糞してしまったのかアロエの水着のお尻の部分は汚く膨らんでいる。
仕方がない。湖で洗うことにしよう。
* * *
ただでさえ濡れたスクール水着は脱げにくい。それが他人のものであれば尚更だ。
スクール水着の肩紐を外し、えいやと無理やり脱がせていく。
それは、『脱がせる』と言うよりも『剥(む)く』と言ったほうが近い表現かも知れない。
「こ、これは……」
お尻の部分まで剥いていくと、……覚悟はしていたものの、予想を上回る腐敗臭が鼻を突く。黒魔法でゲテモノになれているマラリヤといえど思わず息を止めてしてしまう惨状だった。
もわ………
少女がただでさえ見られたくない恥部……そこは更に恥ずかしいペーストで塗りつぶされていた。
水着を剥いていき、日焼けしていない白い肌が露わになっていく。
水着の中のお尻には、グッチョリと茶色い下痢便が張り付いていて、それは前の方にまで広がり、無惨にも幼筋は下痢に覆い隠されている。
それでも、ピクン、ピクン……と時折痙攣している幼筋は少女が生きていることを示していた。
するするとスクール水着を脚から外してやる。内股に、茶色い筋が残っていく。
よほどお腹を下していたのだろう。
脱がせた水着のお尻の部分には茶色くドロドロとした物体が溜まっていて、紺色の生地が見えないほどだった。
「これがホントの恥の上塗り……くすっ」
気絶して、お尻を汚してしまった少女の身体を、ゆっくりと湖に入れて、丹念に洗ってあげる。ぬるりとした感触に混じる未消化物の感触。
「あなたが見ていたのは怖い夢。わたしが綺麗に洗い流してあげる」
* * *
「ん、んん……」
アロエが目を覚ましたのは、それからしばらく経って真夜中の二時を回った辺りだった。
ぼやけたまぶたを擦りながら辺りを見回す……自分の部屋じゃないことはすぐに分かった。とぐろを巻いた蛇をかたどった燭台、本当に使うのかどうか疑いたくなるほどカラフルな薬剤が入っているフラスコやビーカー……そのせいか、部屋には独特のお香のような香りが立ちこめている。
……どこだろう、ここは……
そこである事に気付く。
ひやりと冷たい抱き枕のようなものを抱いて眠っていたらしい。
その抱き枕は紫色をしていて、ひょろりと細長
…チロチロと舌舐めずりしているヘビと目があった。金色の無表情な瞳。
「ひっ」
「ダメよ、ジョセフィーヌ。アロエちゃん怖がってるじゃない」
ベッドサイドにわだかまっている闇が呟いたと思ったら、それはマラリヤだった。ずっと隣で見ていてくれたのだろうか?
「怖がらせちゃってごめんなさい。この子、わたしのペットでジョセフィーヌって言うの。さっきはじゃれついてたみたいだけど、驚かせちゃったわね……」
「さっき………?」
なんでこんなところで寝ているの? それに……起きようとするとなにも着ていないではないか。パンツさえも穿いてない。
「あの……服は……」
「水着、悪いけど大変なことになってたから捨てちゃった」
「あ……」
思いだした。
たしか、お腹を壊してしまっておもらししちゃったところにジョセフィーヌと鉢合わせてしまって……記憶が定かなのかここまでで、それからのことは良く覚えていない。
勝手に顔が熱くなってきた。きっと真っ赤になっているに違いなかった。
「ああ……それと、茂みに置いてあった服なら、寝てるままだと着せられなかったからここにあるけど……」
「けど?」
「ショーツ、汚れてたから購買部で新しいの買っておいたから」
「あ……」見られてしまった。
だけどこれは相談する良い機会かも知れない。マラリヤはいろんな実験をしていると聞くし、病気とかにも色々と詳しそうに思える。アロエは意を決して相談してみることにした。
「わたし、変な病気なのかも知れないの」
「病気?」
「ときどきパンツがヌルッとしちゃって、黄色く汚れているときがあるの。ご本を読んでもなんの病気か分からなくて……マラリヤお姉ちゃん、わたし、怖い病気なのかなの……?」
今にも泣きそうなくらい、アロエの瞳が涙ぐむ。だけどマラリヤは微かに微笑むと、優しく頬を撫でてあげるのだった。
「大丈夫よ」
「えっ?」
「女の子って言うのは、みんなそうなるものなの。だからなんの心配もないわよ……そうだ、これ、使ってみる?」
マラリヤが取りだしたもの。それは布のナプキンだった。
女の子のお股の部分に充ててあげる。
「これは……?」
「ショーツが汚れないように女の子はこうやってナプキンをあてるの」
「こんなのお股にあててたら、上手く動けないよ」
「これからずっと付き合っていくものなんだから早く馴れることね。詳しいことは保健の先生が知ってると思うわ」
「うん……」
アロエは頷き、ベッドから立ち上がる。
パンツがぽっこりと盛り上がり、脚を閉じようとすると布が邪魔に感じた。
「うぅ……なんだか厚くて変な感じがする……それに飛んだり跳ねたりしたらずれてきちゃいそうだよぉ……」
「女の子って言うのはそうやって可愛くなっていくものなのよ。なにか分からないことがあったら聞いて。相談にのるから」
「うん……今日はありがとう。おやすみなさい、お姉ちゃん」
「おやすみ……」
パタン、真夜中に響く扉の閉まる音。トテトテとアロエの足音が遠ざかっていく。
その足音が消えるとマラリヤはベッドの下から古びた木箱を引っ張り出した。
ふたを開くと保存用の冷気が煙となって立ち上る。
中にしまってあるのは……、アロエにとって絶対に見られたくないものだった。
* * *
下り物が発酵して茶色くなったパンツ『乙女の戸惑い』。
恐怖のあまり粗相してしまったスクール水着『恐怖の証』。
この二つは貴重な黒魔法に使うマジックアイテムなのだ。マラリヤがこのチャンスを見逃すはずがない。
「さて」
次の黒魔法の実験は何にしようか……そんなことを考えつつ、マラリヤは妖艶な笑みを浮かべるのだった。
アロエのおべんきょう・おしまい。
これにて『アロエのおべんきょう』はおしまいです。
ここまで読んでくれてありがとう。
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アロエのおべんきょう6
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