唯一のポケットティッシュを暗い穴の中に落としてしまった小町。
トイレで紙がないときの絶望感といったら、ねぇ……。
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きっと、罰が当たったのだ。
加奈ちゃんのおむつを、自らの気持ちよくなりたいという欲望のままに汚してしまった。きっとその罰に違いない。
黒髪おかっぱの少女は和式便器に座ったまま両膝を抱えて、やがてさめざめと泣きだしてしまった。
いまの自分が情けなくて許せなかった。
気持ちよくなりたいという感情で加奈ちゃんのおむつを汚してしまったこと、
汚れたおむつを脱ぐ勇気が無いこと、
この暗いトイレの個室で腐敗臭に包まれながらも、それでも泣き続けることしかできないこと、
その臭いのもとは、今正に自分が穿いているおむつから溢れていること……。
しかも脱ぐことができたとしても、紙を落としてしまった今ではべったりと下利便に塗れた尻を拭くことができないのだ。
拭けないと言うことは、脱ぐことさえもできないと言うことだ……。
唯一のティッシュは手を滑らせて暗い穴の中へと消えてしまった。
換えのおむつも加奈ちゃんに渡してしまった。
小町は、ただ両膝を抱えながら泣き続けることしかできなかった。
プチュプチュ………
プリュリュリュ………
おむつの中に、力なく下痢が垂れ流しにされていく。
もう、少女の心は完全に折れてしまった。
ただ、涙で頬を濡らしながらおもらしを続けることしかできない。
誰も小町がこんなところにいるなんて知らない。誰も助けに来てくれない。
この欲望に塗れたおむつから逃れることが出来ないのだ。
じゅわ………
絶望しきったお股から、新たな黄色と茶色の液体がおむつに染みこんでいく。
少女二人分の排泄物を吸い尽くしたおむつはもはや外側までも黄土色に染まり、咎人を逃さぬための鉄球ように小町の心をつなぎ止めているのかも知れなかった。
小町は、膝を抱えたまま動かなくなってしまう。
個室にさめざめとしたすすり泣く声が響いているけれど、それに気付くのは誰もいない。
蒼空に浮かぶ夏の陽が、ゆっくりと傾いていった。
おむつ少女26につづく
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