小町、家に帰って新しいおむつを穿くの巻。
明日返さなきゃいけない加奈のショーツも中に穿いて、ベッドに横になるけど……
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小町が住んでいる家は、モダンな雰囲気のマンションの一室だった。
人気のないロビーの自動ドアをくぐり、エレベータに乗り込んで7階へ。きっとどこの部屋の家族も団らんの時間なのだろう……廊下には料理の匂いが漂い、扉の前を通り過ぎるだけで心が絞めつけられるような気がした。
7階の突き当たりの部屋で小町は足を止める。その部屋だけ、ドアを照らす明かりがついていない。誰もいないということだ。
カバンからなにもキーホルダーが付いていない鍵を取り出すと事務的な手つきで鍵を開ける。玄関からつづく廊下は闇に包まれていて、小町の胸の内までも闇に包もうとしているかのようだった。
靴を脱ぎ、電気も付けずに廊下を進んでいき、ぱちんと電気を付ける。
小綺麗に片付いているが、うすら寒い4LDKの室内が照らし出された。
小町は一人っ子だった。
父と母は仕事のためにずいぶんと長い間家にを空けている。週に2,3回ヘルパーさんが来てくれるからマンションの室内は片づいているけど、何年くらい前からこんな生活が続いていたっけ? もう思いだすのも面倒くさいほど心は乾燥しきっていた。
そんな小町が、なにかに甘えたいと思うのは当然のことだった。
そのシンボルが、おむつだった。
穿いていると赤ん坊だったころ、おむつを換えてくれる母親のぬくもりを思いだせるような気がしたから。
ずぶ濡れの少女は着衣を脱ぎ捨てると一糸まとわぬ全裸になる。まだ、成長への階段を昇り始めたばかりの青い果実。ぷっくりとしたアポロチョコのような突起でしかない乳首は触れただけでちくりとした痛みを伴う。
(……そう言えば、加奈ちゃんのショーツはどうなったかな……)
昨日、穿いたまま帰ってきて洗濯しておいたからもう乾いたはずだけど……ベランダに行って掴んでみると、ネコのワンポイントのシンプルなショーツは夏の夜風に乾いていた。
明日、返さなければいけない……。
だけど、その前に少しだけ穿いてもいい、よ、ね……?
せめて今だけは加奈ちゃんのショーツを穿いていたい……。
加奈のショーツを穿いて、その上からおむつを穿くと、冷え切った身体が、じんわりと芯から温かくなってくる。
こうしていると加奈ちゃんと一緒にいられるような気がして、小さな胸が安心感に満たされていく。
今日は疲れた。
少しだけ、ベッドに横になろう……。
ショーツとおむつだけを穿いた裸に近い格好だけど、この季節はこれだけでも丁度良いくらいだ。小町はタオルケットをたぐり寄せるとおヘソを隠すようにかける。
冷え切って疲れ切った身体はすぐに睡魔に負けてしまったみたいだ。
やがて聞こえてくる、安らかな寝息。
だが小町は、忘れていた。
公園で大量の水を飲んでしまったことを。
小町は、忘れていた。
寝る前にトイレに行くことを……。
いま、こうしている瞬間にも少女の膀胱には一滴ずつおしっこが濾過されていることを、寝息を立て始めた少女が知る術はなかった。
おむつ少女30につづく
次回、終わらないおしっこ。
夢の中で、小町はトイレにまたがると何の躊躇いもなく……。
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おむつ少女29
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