おむつにおねしょをしてしまってからの目覚め。
加奈にどうやって謝ろうか考えていると……。
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目覚めは最悪だった。
まぶたを刺すかのような夏の朝日に目を覚ますと、ベッドから見えるはずの空は真っ青なのに、おむつの中は梅雨空のようにじっとりと湿っているのだ。
気持ちいいはずがない。
小町はビクンと大きく痙攣して目覚めると、おむつのなかに手を差し入れる。
寝汗ではない、濡れた感触。恐る恐るお尻に手を当てると、もっこりと膨らんでいた。それはよほど大量にもらしてしまった証……。
だけどまだおねしょを信じられない少女は、おむつに差し入れた手を鼻に近づけるとクンクンと鼻を鳴らす……どうしょうもないくらいのおしっこの臭いがした。
「あっ……」
おむつだけじゃない。加奈のパンツも穿いたまま寝てしまったので、ぺったりとお股に貼り付いていた。
「どうしよう……加奈ちゃんのパンツまで汚しちゃった……」
目眩を堪えながら立ち上がる。尿を吸ってもっさりと重たくなったおむつがお尻にまとわりついてきた。
いくら紙おむつの性能が上がっても漏らしてしまったおしっこまでは消えてくれない。
大量に漏らせば、それだけお尻が重たくなって責められているような気さえしてくる。
もう、家を出ないと遅刻してしまう時間になっていた。
仕方がなく小町はブラウスとスカートを穿いて家を出る。
「加奈ちゃんになんて謝ろう……」
おむつは怖くて脱げなかった。黄色く染め上げてしまった加奈のショーツを見るのが怖かったから。
重たくなったおむつに何度も膝を折りそうになりながらも他の生徒たちに紛れながら通学路を進み、ついに教室に着いてしまう。後ろの出入り口から入ろうとしたときに、ちょうど加奈とぶつかりそうになってしまった。
いつものようにTシャツに黒のスパッツにスカートという軽装だ。白のTシャツに水と白のスカート。
着飾って無くても小町にはとてもかっこよく見える。
「あっ……」
「あ、おはよ、小町ちゃん……どしたの? なんだか顔色悪いよ?」
なにも知らない加奈は、いつものように明るく挨拶してくれる。これからどうやって謝ろうかとばかり考えていた小町は意表を突かれて感情が決壊しそうになってまった。
「加奈ちゃん……ご、ごめ……っ」
「あ……ちょっと待って……すんすん……」
加奈は何かに気付いたかのように鼻を鳴らし始める。
「ど、どうしたの……?」
そして少しずつ小町の首筋に近づいてくると、なにか確証を得たかのようににかっとイタズラっぽい笑みを浮かべて見せた。
「小町ちゃん、今から一緒にトイレ行かない?」
おむつ少女32につづく
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