どうしてもスパッツを脱ぎたがらない加奈。
そんな加奈をみて、小町は深呼吸をしてしゃがみ込むと……
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個室の中は腐敗臭に満ちているはずなのに、小町は眉一つ動かさずに入るとドアを閉め直した。
「加奈ちゃん……大丈夫……?」
声をかけても、加奈はうつむいて何も答えない。汚れてしまった自分を見られるのがとても恥ずかしい。
小町は加奈と便器を見比べる……。
和式便器の水は茶色くなっているけど、未消化物は見あたらない。となるとこの臭いの元は……。
加奈の内股を伝い落ちていく茶色い液体。下痢おむつに濾過されて漏れ出してきてしまったおしっこだ。立ち上がったことによりバランスが崩れて冷え切ったおしっこがあふれ出してきてしまったのだ。
「間に合わなかったんだ……」
小町がつぶやくと、加奈は小さくうなずいた。
健康的に日焼けした内股を伝っていく茶色い筋は身動きしてしまったため、だらだらとスパッツから滲み出してきて、一気に内股を汚していく。
「さ、早く済ませよ? ずっとこうしてると誰か来ちゃうかも」
「いや……怒られちゃう……昨日もスパッツ駄目にしちゃったし……」
「なら尚更だよ。早く洗わないとシミになっちゃう」
「良いよ……わたし、一人で洗うから……こんなに汚いの、小町ちゃんに見られたくないよ……」
「わたしなら全然気にしてないよ? 早く脱いで……」
「いやっ」
それは確かな拒絶の言葉……その言葉を受けて、少なからず小町はショックを受けてしまう。
「あっ……、ご、ごめん……」すぐに謝る加奈だけど……。
「加奈ちゃん」
スッと、小町は真っ直ぐな瞳で加奈を見つめる。普段は大人しいのに、何かを決心した、強い力を宿した瞳……。
「加奈ちゃんが、おもらしして慰めてくれたとき、すごく嬉しかった」
小町は加奈に向き合い、和式便器にまたがってしゃがみ込む。スカートから、綺麗なレモン色に染まった紙おむつが顔を出した。
「授業中、ずっと加奈ちゃんのことを考えながらおもらししてたの。もう、汚れちゃったおむつだけど……これで、許してね……?」
頬を赤らめての告白。スッと小町が手を差し出してきた。
なに?
小町ちゃん、なにをするの?
しゃがみ込んだ小町を見つめ、加奈は戸惑っていると……、
「手、つないでてくれると嬉しいかも……」
小町は前髪に瞳を隠して呟いた。
加奈はしゃがみ込み、おかっぱの少女と向き合い、小さな手をとる。その手は、小さく震えていた。
ふぅ………
小町は加奈の手を握り返すと、儚く微笑んだ。
このときになってようやく加奈は理解する。
「だめ、ダメだよ、小町ちゃん……!」
加奈が止める間もなかった。
儚く、ほんの一瞬だけ微笑んだ小町のおむつの中から、くぐもった水音が聞こえてきたのだ。
くぅ……と、
小町は唇をかみしめると……
おむつ少女44につづく
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