習作で書いた小説その2
奈緒、初めてのおもらし。
一歩進むたびに、ぺったりと冷え切ったパンツがお尻にまとわりついてきて気持ち悪い。
それでも立ち止まってしまえば、誰かにおしっこの匂いに気づかれてしまうかもしれない。
そんなスリルを味わいながら、奈緒は片道歩いて15分ほどの家に無事に帰ることができた。
家族は両親の二人だけ。
それに共働きをしているので、家に帰ってくるのはいつも夜遅くなってからだ。
「ふぅ……」
奈緒は靴を脱ぐと額をぬぐってため息をついた。
ここまで来ればもう安心だ。
玄関に鞄を置いたままでお風呂場へと行く。
そしてスカートの中からパンツを下ろすと……、
ツーン、
としたアンモニア臭が鼻を突いた。
白かったおぱんつは綺麗なレモン色に染め上げられて、クロッチの裏側はすでに茶色く変色し始めている。
「早くお洗濯しないと……」
でないと、イケナイ遊びをしているのがばれてしまう。
パンツを洗濯機に入れると、両親たちの服も洗濯機へと放り込んでいく。
こうしておけば、家族のみんなにイケナイ遊びがばれることはないし、お洗濯を干せば手伝いをしたことにもなる。
一石二鳥だ。
洗剤を入れると、脱水までセットして奈緒は風呂場でシャワーを浴びることにする。
洗濯物ができあがったらベランダに干しておく。
こうして両親が帰ってくる前に夕飯を済ませて眠りにつく。
これが奈緒の日課になっていた。
☆
そもそも。
奈緒がこんな性癖に目覚めてしまったのにはきっかけがあった。
あれは1年前の中学1年生の冬のことだった……。
(寒い……、黒タイツ穿いてきて正解だったかな……)
登校してきて一息。
奈緒はブルリと身体を震わせて、心の中で呟いた。
教室にはストーブがつけられているけど、前の方に1台あるだけなので、奈緒が座っている一番後ろの席はひんやりと冷たい。
だから寒い日には少しでも暖かい格好をして登校するようにしていた。
だけど、それでも寒くてつい、
「くしゅんっ!」
じゅわわ。
できるだけ押さえてくしゃみをしたのに、おちびりをしてしまった。
寒い季節はおしっこが近くなるから嫌だった。
それに最近、みんな飲んでるって言うからコーヒーを飲んでみたのがいけなかったのだろうか?
朝にコーヒーを飲むと、すぐにトイレに行きたくなってしまうような気がする。
「おまた、痒くなっちゃう……」
内股をすりあわせてみると、思ったよりもチビってしまった量が多いようだった。
このままではおまたがかぶれて痒くなってしまう。
だけどトイレに立とうとしても、もうすぐ朝のショートホームルームが始まる時間になろうとしていた。
(どうしよう……おトイレ行きたいけど、それで遅刻したら恥ずかしいし……)
ちょっと躊躇ってしまうと、すぐに担任の教師が入ってきた。
しかも今日はこのまま担任が受け持っている授業だから、休み時間抜きで授業に入ってしまう。
その代わり早めに授業が終わると評判がよかったけど、今の奈緒にしてみればありがた迷惑な話だった。
(我慢するしかない……大丈夫、一時間くらいなら……)
奈緒はため息をつきながら教科書を出す。
まさか、この授業がトラウマになってしまうとも知らずに……。
☆
(う、うううぅぅ……)
奈緒は苦しげに眉をひそめた。
お腹に手を当ててみると、そこは制服越しでもパンパンに膨らんでいるのが分かる。
それはまるで水風船のようだった。
(も、もうすぐ授業終わるよね……?)
自然と時計を見る回数が増えてしまう。
もう四十分は経ったと思ったのに。
授業ははじまってまだ十分も経ってなかった。
黒タイツと厚手のショーツを穿いてきたのでおまたの通風性は最悪だった。
我慢していると、おちびりにかぶれておまたが痒くなってきてしまう。
(痒い……おまた、痒くなってきちゃ……んんっ)
ギュッと左手で前押さえする。
右手では黒板を書き写して、おしっこを我慢していると気付かれないようにしなければ。
だけど左手だけでは
ジワ……ッ、
滲み出してくる生温かい感触。
(う……で、出ちゃった……?)
ビックリして手を離してしまう。それだけで、
じわ、じわわわわ……!
熱いおもらしの感触がパンツの裏側に広がってしまった。
慌てて右手で前押さえをしてなんとか止めることができる。
もう手を当てていないと止めることさえもできなかった。
(うぅ……やっぱりおもらししちゃったんだ……)
認めたくないと思いながら、さっきまで前押さえしていた左手に鼻を近づけてみる。
するとやはりだった。
細い指先は、すっぱいおしっこの匂いをまとっていた。
クロッチと黒タイツの外側にまで広がってきてしまっている。
おちびり……というにはちょっと漏らしすぎてしまったかも知れない。
(おもらし……おもらししちゃった……おパンツどうしよう……)
生温かくなったパンツがおまたにくっついてくる。
それは奈緒をパニックにするには充分だった。
直後、
「んっ、んあああぁぁぁぁぁぁ」
指の隙間からレモン色のせせらぎが湧き出してきてしまう。
スカートにジュワッとした生温かい感触が広がり、お尻が生温かい手に撫で回される。
(やだ、気持ち悪い、気持ち悪い……! だめっ、おしっこ出ちゃだめ、だめだめだめぇっ!!)
そんな願いも一度弛んでしまった尿道には届かなかった。
ついに奈緒は決壊してしまったのだ。
ただでさえ女の子の尿道は太くて短い。
三センチくらいの長さしかないと言われているし、それにそれに尿道括約筋も男と比べて貧弱だと言われている。
一度決壊してしまえば、終わるまで止まってくれないのだ。
「んあっ、あっ、あっ、あっ……ダメッ、漏れてきちゃ……だめぇ……ッ!」
ジュワ……、
じょぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ……
「あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! ……あぁっ!!」
内股を撫で回されていく気持ち悪い感触に、震え上がった吐息が漏れる。
気持ち悪い感触におまたの力が弛みきった。
「あぁ……温かい……いや、いやぁ……」
視線を下ろしてみると、ぐっしょりと暗く濡れた紺色のスカートがあった。
太ももを生暖かい手で撫で回される。
脚の間には大きなレモン色の川ができていて、今まさに椅子の縁に届こうとしているところだった。
「だ、だめぇ……お願い、止まって……止まってよぉ……っ」
呟いておまたをキュッと閉じるけど、おまたから湧き出してくるおしっこは止まってくれない。
そしてついに、
ぴしゃ、ぴしゃしゃしゃしゃ……。
椅子の縁からおしっこの滝が落ち、リノリウムにレモン色の飛沫が散った。
ピシャピシャと静まりかえった教室に響き渡る水が跳ねる音。
黒タイツで覆われているふくらはぎを、黒よりもなお濃密な黒のまだら模様へと染めていく。
「あっ、あっ、あっ。……あああああぁぁ……」
ギュッと目をつぶっておしっこを止めようとしていたけど、ふと目を開いてみると、クラスメートはみんな奈緒のことを見つめていた。
信じられないという風に。
「違う……これは……違うの……ッ!!」
どんなに言い訳しても誰もなにも言わない。
その沈黙が痛かった。
それに口では違うと言っていても、
ジョボボボボボボボボボボボ…………。
ついに力尽きてしまった尿道はおしっこを解放してしまう。
教室中がツーンとしたアンモニア臭に包まれる。
友達にも男子にも、先生にも恥ずかしい匂いをかがれてしまっている。
「すぅん……」
ツンと鼻が痛くなって、捨てられた犬のような声を漏らしてしまう。
ジョボジョボとくぐもった水音がクラスに響き渡り、お尻も、太ももも、膝の裏もふくらはぎもおしっこに撫で回される。
やがておもらしが止まると、早くも冷えはじめた黒タイツは奈緒を責め立てるかのようにぺったりと密着してくる。
☆
そのあと、奈緒はクラスメートたちの注目を浴びるなか、雑巾で自分のおしっこを拭き取ることになった。
雑巾で拭き取ったおしっこを、ギュッと絞ってバケツへと移し替えていく。
その間にも黒タイツは冷えきって、奈緒のおまたに食い込んでしまう。
尿に濡れそぼった黒タイツからはツンとしたアンモニア臭が立ち上っている。
ももにも、ふくらはぎにもまとわりついてきて気持ち悪い。こんなことなら黒タイツを穿いてこなかったほうがまだマシだったかもしれない。
だけど気持ち悪いはずなのに、
(おもらしって、気持ちいい……?)
なぜか変な気持ちになってきてしまっている。
イケナイことをしてしまったのに。
それなのに、なんだかおまたが妙にスッキリしてしまっているのを感じた。
これが奈緒がおもらしに目覚めたきっかけだった。
それからというもの、奈緒は誰にも見られないところで人知れずおしっこを漏らすようになっていた。
誰にも言えない3につづく
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