たくさんの拍手をありがとうございます。
やる気でます!
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髪の色も、瞳の色も違うイリアは、学校では浮いた存在だった。
いつもは教室で物静かに読書をしているイリアだけど、
冬の風は、タイツに覆われている少女のお腹を冷やしていく……。
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イリアはいつものように登校する。
だが白人系の血を色濃く受け継いでいるイリアは、日本人とは肌の色も、髪の色も、そして瞳の色も違う。
教室ではあまりにも浮いた存在だった。
虐げられているわけではないが、イリアはどこか近づきがたい雰囲気というか、ミステリアスというか、高嶺の花といった存在になっているようだ。
(ついこの前は一緒にドッヂボールしてた男の子も、急によそよそしくなるし……。別にいいけど)
一時期はなんでなのか不思議に思っていたけど、それが大人の階段を一段ずつ登っているんだということでイリアは理解するようにしていた。
イリアの席は、教室の窓側の、一番後ろの席だった。
遅生まれだから、出席番号順で席を決めると大体この位置になる。
教室の端っこが、イリアのいつものお約束の席だった。
(目立たなくて好きな席だけど、最近急に寒くなってきたから隙間風が冷たい……)
そんなことを考えながら席について、今日使う教科書を机に詰めてから文庫本を開く。
こうしてぼんやりと朝の慌ただしい時間を読書して過ごす……、これがイリアの日常だった。
☆
(寒い……。おトイレ、行きたくなってきたかも……?)
黒タイツに包まれている両脚をもじもじと擦り合わせると、
ジュワリ……、
クロッチの裏側が微かに生温かくなる。
時は三時限目の授業を終えた休み時間。
イリアは尿意を催し、更には一時間ほど我慢していた。
いくら黒タイツを穿いているとはいえ、秋の隙間風は少女の腰を冷やしていく。
尿意を催してしまうのは当然のことだった。
ただでさえ、女の子の膀胱は子宮に押されるようになっていて小さいのだ。
それだけトイレに行く回数も増えてしまう。
(おトイレ、行っておいたほうがいいよね)
イリアは文庫本をパタリと閉じると席を立つ。
廊下に出ると、ひんやりとした秋風が内股を撫でていった。
(タイツ穿いてるのにこんなに寒いなんて。そろそろブルマの時期、かなぁ)
学校では体育の授業で穿くことになっているけど、タイツの下にブルマを穿くとお尻が温かくなって好きだった。
たぶん、みんなやってることだと思うけど。
冷たい秋風にツンとした不機嫌そうな表情を浮かべて、イリアは女子トイレへと入っていく。
幸いなことに誰もいないようだ。個室へと続くドアは、全部開け放たれている。
ピンクのタイルに包まれた女の園は、ツンとしたアンモニア臭と、少女の匂いが絡み合った複雑な香りに満たされている。
イリアは、女子トイレの一番奥の個室へと入ると、ドアを閉めた。
目の前には、ちょこんとある和式のトイレ。
その光景を目にして無意識のうちに安心してしまったのか、
ジョッ――。
(あっ、ちょっと、まだダメ……っ)
慌てておまたに力を入れるも、
じゅわわ……。
パンツの裏側が、ほんの少しだけ生温かくなった。
イリアはいつものようにちびってしまったのだ。
(やだ……。おまた、痒くなっちゃう……)
ぼんやりとそんなことを考えながら、イリアは和式のトイレに跨がった。
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ここまで読んでくれてありがとうございます。
本当は昨日更新しようと思っていましたけど風邪を引いて寝込んでいました。
急に寒くなってきましたが、皆さんは体調にはお気をつけください。
芽生え6につづく
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