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(う、うそ……っ。こんなときに急にくるなんてっ)
最後にイリアが『出す』ことができたのは、確か十日前の夜中だった。
あの時は深夜に急にお腹が痛くなったから、トイレに行ってたくさん出すことができたのだ。
もちろん、おむつを下ろして、だ。
何度もおもらし遊びをしてきたイリアだけど、うんちまでおもらししたことは一度もない。
(うんちはだめっ。ちゃんとおトイレでしないとっ)
時計を見ると、あと五分ほどで授業が終わってくれるようだ。
そうなったらすぐに帰りのショートホームルームが始まって、下校することができるはずだ。
学校でうんちをするのは、恥ずかしくて嫌だった。
(学校じゃ無理っ。せめて公園まで我慢……ううっ!)
歩いて十分。
その公園に辿り着くまでの我慢だ。
額には脂汗が浮き上がってきて、背筋にも滝のような冷や汗が落ちていき、ショーツやスカートに染みこんでいく。
(ううっ、お腹、痛い……よぉっ。十日ぶり、くらい!?)
いつも本ばかり読んでいるイリアは、重度の運動不足でいつも便秘気味だった。
あまり出ることもないし、出すときもお腹に力を入れないと出てきてくれないくらいだ。
それでもうんちが溜まっている感覚に馴れてしまって、普段はあまり気にしないようになっていた。
それでも十日ぶりというのは最高記録だ。
いつもだったら一週間くらいで出てきてくれるというのに。
(お腹、苦しい……っ。ううっ)
ぐるる~~。
ごぽ、ぐるる……。
イリアのお腹には、ミッチリとうんちが詰まっている。
十日間、大腸によって水分を吸われ続けてきたうんちは、石のようにカチカチになっているに違いなかった。
(大丈夫、大丈夫……。絶対間に合うんだから……間に合ってくれるんだから……)
額に脂汗を浮かべながら、机の木目を数える。
少しでも便意のことを忘れていないと、今すぐにでもお尻から棒状のものが出てきそうだった。
(我慢、我慢、公園まで我慢……っ)
その願いが通じたのか、やっとのことでチャイムが鳴ってくれる。
幸いなことに今日の最後の授業は担任だったので、すぐに帰りのショートホームルームが始まってくれた。
前からプリントが配られていき、イリアは綺麗に折りたたんでカバンに入れていく。
その僅かな時間でさえも、イリアにとっては拷問のような責め苦だった。
(う、うんち……っ、で、出そう……っ)
ぎゅるるるる~~。
ゴポポッ!
腸が捻れそうな痛みとともに、少しずつ直腸の圧力が高まっていく。
ちょっとでもお尻の力を抜けば、カチカチの『モノ』をショーツのなかに出してしまいそうだった。
なんとかお尻に力を入れていると、やっとのことでホームルームが終わってくれる。
あとはトイレに行って楽になるだけだ。
(でも、学校のトイレは無理ィ!!)
放課後の女子トイレは、なぜか分からないが女子たちがよく集まっておしゃべりをしているのだ。
その横で十日間、イリアのお腹のなかで発酵されていたものを出すなんて恥ずかしすぎた。
(せめて、公園まで我慢しないと……っ)
お腹が痛いことを誰にも悟られないように、イリアは席を立つとカバンを持って放課後の教室を後にする。
だがイリアは気づいてはいなかった。
イリアのお尻には、大きな暗い染みが広がっていることに。
うなじからは、微かに甘い香りが漂っているということに。
思春期を迎えて大人へと性徴しているイリアの身体は、苦痛さえも快楽と認識するようになっていた。
+++++++
芽生え14につづく
腹痛に襲われているイリアは、はたしてトイレにまで辿り着くことができるのだろうか……!?
と、言うわけでつづきます。
新刊、出てます。
スマホでも読めますので、この機会にどうぞよろしくお願いします(´・ω・`)
誰か1人でも読んでくれた人がいたら、とても嬉しいです。
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