ぱんつを穿いたままで。
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(あんなに我慢して、勢いよく出せたのに……)
イリアがため息をついたのは、もうすぐ6時限目の授業が終わろうかというときだった。
窓から見える景色は抜けるような青空だというのに、イリアのパンツのなかは、ジトジトの梅雨のような雨模様だった。
あのあとトイレから出て、たくさん水を飲んだ。
イリアの膀胱は、早くも水風船のように硬く膨らんでいる。
(あと、数分で授業が終わる……)
時計を見ると、授業が終わるまであと数分だった。
この授業が終われば、帰りのショートホームルームをやって、あとはもう放課後だ。
イリアの他の生徒たちも何度も時計を見て、そわそわと落ち着かなくなっていた。
ジュワリ……。
(あっ、まだ、ダメ……)
ショーツのなかが生温かくなって、イリアはキュッとおまたに力を入れる。
まだだ。
まだ出したらいけない。
(もう、思いっきり出しても気持ちよくなれない……。それに家に帰ってパンツを穿いたまま出しても気持ちよくなれないの……)
それなら。
イリアには、一つの考えがあった。
人知れず、公園で漏らしてしまったときにはドキドキして気持ちよかったのだ。
それなら、人がいる学校のおトイレで漏らしたら、どんなに気持ちいいことだろうか?
(誰かに見つかったら大変なことになっちゃうけど)
それでも、イリアの秘筋はそのことを考えただけで熱く濡れてきてしまう。
(イケナイことを考えると、おまたが熱くなってきてしまうの?)
それはイリアには分からないことだった。
性教育の授業では、男の人から精子が出て、女の子は卵子を持っていると習ったけど……。
(学校でパンツを穿いたまま……おもらししたら、どんなにドキドキするだろう?)
たったそのことを考えただけで、頭がボーッとしてきて、授業なんかに集中できるはずもなくて。
気がつけば帰りのショートホームルームが終わり、ザワザワと落ち着かない放課後になっていた。
(しちゃう……? 私、学校でおもらし、しちゃうの……?)
頬を桃色に染めたイリアはカバンを持って、ゆっくりと席を立つ。
トイレへと向かうその足取りは、熱病に浮かされたかのようにおぼつかなく、スカートにはジットリと暗い染みが滲み出していた。
☆
「人、誰もいない……」
幸いなことに、放課後の女子トイレには誰もいなかった。
いつもだったら女子たちが鏡の前でおしゃべりしているものだけど、今日はいないようだ。
放課後の学校のトイレで、おもらし遊び。
もしも誰かに音を聞かれて勘づかれたら大変なことになってしまう。
だけど、『してみたい』という欲求には敵わなかった。
イリアは一番奥の個室に入ると、静かにドアを閉める。カバンはドアのところにあるハンガーにかけておく。
こうしてカバンを持ってきておけば、教室に戻らずにそのまま帰ることができる……。
(私、しちゃうんだ……。学校で、イケナイこと、しちゃうんだ)
目の前にある和式トイレを見つめて、最後の自問自答。
極度に緊張しているせいか、今にも漏らしてしまいそうなはずなのに、おまたはキュッと閉じていた。
(ここでぱんつを降ろせば、まだ間に合う……。けど……、だけど……、我慢、できない……っ)
イリアは意を決すると、スカートを捲り上げ、和式トイレに跨がった。
……もちろん、ショーツも、タイツも穿いたままで、だ。
芽生え26につづく
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