誰もいない夏の公園で、誰も知らない事が起こってる。
少女はただ立ちすくみ、運命を受け入れるしかない……みたいな。
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なんとか角を曲がって公園にたどり着く。
だけど、広い遊び場が今日に限ってはとても恨めしく思えた。
夏の日差しが降り注ぐ白砂の遊び場は砂漠みたいに見える。我慢しながらでは小股でしか歩けない…………
「はぁ………はぁ………はぁ………ふぐぅ!」
少しでも急ごうと大股で歩けば漏れてしまいそうだった。山が襲ってくる感覚がかなり短くなり、お尻の穴はおならを出そうと風船みたいに膨らんでいる。
小股で歩き続け、なんとか道のりの半分くらいまで辿り着く。だけど汚い公衆トイレは陽炎に揺らめいている地平線の遙か彼方にあった。
「も、もう………」
ゴールを羨望しつつも、小町は足を止めてしまう。ぱんぱんに張ったお腹が痛すぎて、歩くことが出来なくなってしまったのだ。
「もう……頑張ったから良いよね……もう、加奈ちゃん……わたし……頑張ったよね……?」
ひくっ、ひくっ、
と、小町の呼吸が乱れはじめる。うつろに目を開き、呆けたように口を開けたまま、
そして小町はゆっくりと足を開き……
………ごめん、なさい………
………ごめんなさい……加奈ちゃん……
………おむつ、汚しちゃう………もう少し一緒にいたかったよぉ…………!
で、でも………………っ!!
ムゥゥゥゥウウ………………!!
ふっと、小町の全身から力が抜けてしまう、と……
ブボッ!!
紙おむつの中で、湿り気を帯びた空気の炸裂音が鳴り響いた。
「い、ひぃっ!」
小町はおむつの中の爆発にビクリと痙攣してしまう。
誰もいない夏の公園で、悲惨なおもらしがはじまった瞬間だった。
おむつ少女20につづく
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おむつ少女19
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