おねしょ隠蔽の巻。
やっぱりプライドの高い彼女のことだから、見なかったことにすると思うんですよねー……などと妄想しながら書き上げました。ムシャクシャしてやった。後悔はしていない。
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翌朝。
シャロンは窓際からさしてくる日差しと鳥の声に目覚めた。
よほど疲れていたのだろうか? 下着だけで眠ってしまったらしい。たまにパジャマを着ることさえ面倒くさくなって下着のまま布団に潜り込むことがあるけど、昨日の夜のことはよく覚えていない。
それはともかく……
「ふぁ……よく寝た……」
ベッドから身体を起こして、ぐっと背伸びする。軽く骨が鳴る感触が伝わってきて、体中を新しい血が流れはじめる。
大きなあくびを一つ。
「…………!!」
だけどそんなシャロンの緩みきった表情がサッと青ざめた。
万歳みたいにあげていた両手を、ゆっくりとショーツへと忍ばせていくと……
「う……うそ……」
そこには、じっとりと濡れて、冷え切ってお尻に張り付いているショーツがあった。
この感触は……。
認めたくない。
認めたくないけど……。
掛け布団をどかし、恐る恐る視線をショーツにやると……
「ああ………」
シャロンは絶望感に満ちあふれたため息を漏らしてしまった。
そこにあったのは、じっとりと濡れて、冷たく素肌に張り付いているショーツだった。白かったはずのショーツは暗く湿り、無毛の縦筋が無様に浮かび上がっている。
それだけではない。
ショーツで吸収しきれなかったおねしょはシーツに染みこんで大きな世界地図を作り上げていた。
「そ、そんな……こんな年にもなってオネショだなんて……」
湿ったショーツは肌に張り付いて脱げにくい。
転びそうになりながらもやっとの事で脱ぐと、白かったはずのクロッチには、ヌルリとした女の子の恥ずかしいクリームが染みこんでいて、茶色い染みを作り上げていた。
それはお尻のほうにまで、ねっとりと広がっていた。
おねしょだけではなくて、こんなに大きな染みまで作ってしまうなんて……胸が惨めな気分で一杯になって涙が溢れてきそうになる。
シャロンはベッドの下におねしょショーツを投げ込んだ。今、このショーツを水洗いしていると泣き出してしまいそうだった。
手早くタンスから新しい下着を取り出して穿く。制服の上下は床に脱ぎ捨てられていたのを拾い上げてシワになっていないかを確認。よし、大丈夫。
さあ、もうすぐ授業が始まる時間だ。大丈夫、おねしょをしたことは誰も知らない。いつも通りにしていればいいのだ。
* * *
「おはよっ! シャロン!」
部屋を出た直後に後ろから抱きつかれる。ふわっと香ってくる日向の香りと、背中に当たっているグレープフルーツ大の柔らかい感触は……振り向かなくても分かる。
「ちょっ……朝からよしなさいよ、ルキア!」
「えーっ、何でよ。女の子同士なんだから良いじゃない。減るもんでもないし……………あれ? シャロン………」
くん、くん、と鼻を利かせるルキア。シャロンの首筋に鼻を近づける。大変だ。今嗅がれたら、おねしょをしたことがばれてしまうかも知れない……。
「………ねぇ、シャロン」
「な、なによ、早く離れなさいよねっ」
「今日のシャロン………なんだかとっても良い匂いがする……」
耳元で呟いて、ルキアはスッと離れた。首筋に残る、微妙にむずがゆい吐息の感触。
「それじゃ、また、あ・と・で・ね! あとで会いましょ!!」
「また後でって……」
朝日が溢れる廊下に、ルキアの後ろ姿が小さくなっていく。その背中を見つめながら、シャロンは一抹の嫌な予感を感じずにはいられなかった……。
おしまい………?
微妙に伏線を残して終了。続きを書くかどうかは未定です。さて、そろそろオリジナルに戻ろうか、な……。
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アメリアのおしおきタイム。石化シャロン8
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