なんとか裏路地に逃げ込んだ奈緒。
そこでもう無理だと思って、自らの意思で欲望に屈してしまうことに。
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「ご、ごめん……なさい……」
口からこぼれてしまった謝罪の言葉。
それは欲望に屈してしまった、情けない自分への謝罪だろうか?
それともこんなにも醜悪な臭いを漂わせてしまっていることへの謝罪だろうか?
それは奈緒にさえも分からないことだった。
「あ、あそこ、なら……っ」
視線の先にあるのは、一本の細い路地だった。
今立っている道よりも細いし、なによりも電柱で影になっている。
もはや、こうなってしまった以上は……。
むりゅりゅりゅりゅ!!
「んはぁ!」
気を抜いてしまったからか、更におむつが重たくなってしまう。
それでも重たくなったおむつの腰ゴムを押さえながらもなんとか路地へと逃げ込む。
歩を重ねるとネチャネチャと粘っこい音がおむつの中で擦れる。
もう取り返しがつかないのだ。
ぐじゅっ、ぐじゅっ、ぐじゅ……。
「こ、擦れないで、よぉ……!!」
おむつの中でネチャネチャとした醜悪な感触が擦れる。
それはお尻を撫で回し、あろうことか大事な部分にまで広がってこようとしている。
それでもおむつを脱ぐわけにはいかない。
密封されたおむつをはずせば、辺り一帯に封印されている匂いが撒き散らされることだろう。
もう、こうなってしまった以上、奈緒はどこにも逃げることはできないのだ。
身体の毒素を全て出し切らない限り。
「だめ、なのに……。でも、もう我慢、できない、よぉ……!」
奈緒は電柱の影に隠れると、肩幅に足を広げ、ゆっくりとしゃがみ込む。
そこにまるで和式の便座があるかのように。
そんな奈緒は、真っ赤に染まった顔を伏せて呟いた。
「大きくなってうんち漏らしちゃうなんて……んあああああ!!」
ブポッ!
ミュルルルル!!
内気な少女の瞳が前髪に伏せられたのと、スカートの中から爆音が響いたのは、ほぼ同時だった。
奈緖の心は折れて、ここで下痢を漏らすと決めてしまったのだ。
誰にも言えない13につづく
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